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Channel: から揚げが好きだ。
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マレフィセント 【感想】

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アナ雪効果で大ヒット中の「マレフィセント」を観る。

事前情報をシャットアウトして観たが、かなり挑戦的な内容で驚いた。
アナ雪同様「攻めるディズニー」は歓迎すべきだが、本作はやや空回り気味。
同じディズニーでも、やっぱアニメと実写では脚本にムラがあるようだ。

「眠れる森の美女」がベースだというが、内容はまるで違った。
美女(オーロラ)に呪いをかけた魔女マレフィセントが
物語の主人公であり、彼女の生き様を描くために、
「眠れる美女」が絡んでくる格好だ。

「愛の物語」的な宣伝の打ち出し方に嘘はなく、
それに気付くと、劇中感じていた違和感も若干和らいでくる。

しかしながら、本来描かれるべき話の説明が不十分でだったり、
おとぎ話という前提をおいても、脚本の雑さが目立つ。
おかげで、キャラクターの行動動機にイチイチいちゃもんをつけたくなる。
ツッコミどころ満載だが、それを真面目に描いているものだから
どうにも許容できない。どうにも共感ができない。

王様が自分のかわいい娘を3人の妖精に託す経緯だったり、
そもそも人間が、執拗に妖精の世界に侵略する背景だったり、
ほんの数個の説明を加えれば済むレベルなのだが、勿体ない。

一番残念だったのは、マレフィセントがオーロラに対する想いに至った経緯だ。
「なんとなく、雰囲気的」にしか、表現されてない。
ここは大事なポイントなので、丁寧に描いてほしかった。
「母性」を感じさせるには強引すぎるというもの。

「新しいものにチャレンジしよう!」という勢いだけが先行して
他の細かい部分まで、ケアが行き届いてなかったみたい。

アンジェリーナ・ジョリーの魔女役が想定外にハマっていた。
コスプレモノとしてラジー賞の匂いを感じさせたが、実際は違った。
彼女が持つ妖艶さと包容力が、そのままキャラクターの魅力になっている。
彼女を観るだけでも、本作の価値があるというものだ。
但し、高い料金を払って映画館で観る価値があるかどうかは別。

王女を演じたエル・ファニングもイノセンントな雰囲気が、
キャラクターにぴったりだった。ブタ鼻もかわいい。

まさかのシャールト・コプリーの出演は、オジサン過ぎて苦笑い。
アンジーと寄り添うシーンとか、かなり不釣り合いで、気持ち悪い。
後半の展開で彼を起用した理由もわかるが、もっと他の人が良かった。

昨今の吹き替えブームにのっかって、
久々に吹き替えで見たが、そんなに悪くなかった。
心配だったタレント起用枠の上戸彩も意外な好演。

公開すぐの平日の夜に見たが、女性層が多かった。
初動で7億近い超絶ヒットだが、来週以降も堅実に興収を伸ばしそうだ。

ディズニーの日本での絶好調ぶりはどこまで続くのだろう。

【60点】

恋の渦 【感想】

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大根仁の長編映画2作目「恋の渦」をDVDで観る。

まさに「恋の渦」な話。とても面白い。

役者が巧くなくても、脚本と演出が良ければ成功する稀な映画。
こうした低予算で面白い映画が日本で製作されたことが嬉しい。

ある晩、部屋コンに集合した男女9人のその後の恋模様を描く。

今を生きる若者たちの現代性がよく出ているし、
男女の普遍的な性に切り込んでいて面白い。
青春劇というよりは恋愛劇だ。

他者への思いやりよりも、まずは自分の欲求を満たしたい。
その極端なまでに利己的なキャラたちの姿が、生々しくて良い。
個人的には不快指数よりも痛快指数の方が高かった。

何かしら共感する要素が、いろんなところに散りばめられていて、
知らぬうちに感情移入してしまう作りだ。

男女9人の間で、恋愛・セックスの関係が巧く絡み合う。
本音と嘘が入り乱れた後も、何食わぬ顔で人間関係が続く様がリアル。

オール部屋ロケという閉鎖的な空間で起こるドラマだが飽きがこない。。
2時間を越える長尺のため、「眠くなったら、あとで観よう」と
思ってたら、ついつい最後まで観てしまった。

やや強引に展開を広げてしまった感が否めなかったり、
後半のオチが途中でわかってしまう甘さもあったりするが、
それを差し引いても面白いし、日本映画のレベルアップに
一石を投じる映画として歓迎すべきだ。

お金をかけなくても、面白い映画が撮れるということ。
自主映画から始める監督を目指す人たちに、
良い刺激と自信になると思った。

【75点】

ビフォア・ミッドナイト 【感想】

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ビフォア・ミッドナイト 【75点】
劇場鑑賞ができなかった「ビフォア〜」シリーズの3部作目。素晴らしい。
会話劇だけでここまで惹きつける脚本、演出はリンクレイター映画ならでは。
結婚は、一緒に年を重ねることだ。かつての情熱は異なる愛の形になり、
共有した時間の数だけ、秘密が増えていく。1人の相手を愛し続けることの、
難しさや愛おしさがギリシャの美しい夜に浮上する。シリーズと一緒に、
ちゃんと齢を重ねたイーサン・ホークとジュリー・デルピーが素敵。
3部作の最終章という予告編だったが、特典のインタビューを聞くと、
続編もありそうな予感。いや、絶対に続編も製作してほしい。

ハリケーンアワー 【60点】
ポール・ウォーカーの遺作。2005年にニューオーリンズを襲ったハリケーン。
ライフラインが止まった病院で、未熟児で生まれた我が子を守る父親の姿を追う。
サバイバル、スリラー劇に留まらず、1人の男が父親に成長する過程が描かれており感動的。
残念なのは、同じ展開が繰り返されて冗長であること。リアルに描くことと、
物語に面白みをもたすことは同時に成立しうるはず。ほぼ1人芝居のポール・ウォーカー。
役者として最後にふさわしい映画だったかもしれない。ご冥福をお祈りしたい。

ジャッジ! 【55点】
一部のレビューで好評だったが、期待ハズレ。ショボくて、後半グダグダ。
NHKのコント番組を見ているよう。キャスティングも演出もチープ。
CM業界の裏側をデフォルメして、コメディに仕立てるアイデアは買うが、
放り込まれる笑いがイチイチ寒いし、展開の盛り上げ方もドン臭い。
救いは妻夫木のダメ男ぶりと、トヨエツの黒光り具合の可笑しさ。
トヨエツ、こういうゲスで姑息な男をもっと演じてほしい。

Boyhood 【気になる映画】

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現在、アメリカも夏の映画興行、真っ只中だ。
新猿の惑星の新作など、日本でも公開を控える注目映画の評判を
RottenTomatoで頻繁にチェックしている。

経験上、Rottenで80%を超えるフレッシュのタイトルでは大概ハズレがない。
その中で、先週より本国で公開された映画で
「100%フレッシュ」というありえない数字を叩き出した映画がある。

リチャード・リンクレイターの新作「Boyhood」という映画だ。

『少年時代』という、ド直球なタイトル名。

この映画の特筆すべきポイントは撮影期間が12年という長期に渡り、
実際に主人公の少年が、6歳から18歳になるまでの成長過程を追っていることだ。

批評家たちのレビューをみると、
12年というフィルムプロジェクトに対する称賛と、
それが作品の完成度に見事結実している点や、
リンクレイターのユニークで優れた人間観察眼を讃えるコメントが並ぶ。

「新たな金字塔を打ち立てた」や「今年の最重要映画」等の絶賛も多い。

非常に気になる。

上映館が5館という限定公開ながら
批評家たちのレビュー数は現在(7月15日)100件を越え、
100%が「フレッシュ(支持)」。

公開前の少ないレビューで「100」という数字を見たことがあるが、
公開してもなお「100」をキープしている映画は過去に記憶がない。

ベルリン国際映画祭を始め、既に4つの映画祭でも賞を受賞している。
日本での公開はまだ未定。公開されても来年以降の時期になるだろう。
DVDスルーだけはやめてほしい。

少女は自転車にのって 【感想】

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少女は自転車にのって 【70点】
中東初の映画と聞いて多少の退屈さも覚悟だったが、素晴らしい映画だった。
サウジアラビアを舞台に自転車を買うため、奔走する10歳の少女を描く。
イスラム教という宗教が、文化、価値観をコントロールしている社会。
女性の声すらも「肌と一緒」と認識されるほど、女性の自由が徹底して制限される。
本作が素晴らしいのは、そのイスラム圏のあり方を悲観するのではなく、
その中でも逞しくしなやかに生きる少女の様を描いている点にある。
多くの理不尽さに涙しながらも、小さな奇跡を勝ち得たラストに胸が震えた。
フェミニズムな映画と思われがちだが、男女問わず勇気をもらえる映画。

大脱出 【65点】
スタローンとシュワちゃんのマッチョおじさん共演作。想定外に楽しむ。
脱出のプロにしては不自然なほどにガタイがよく、起用には見えない主人公、
敵がどんなに撃とうと、決して弾が命中することのない安心感・・・
ツッコミどころも多いのだが、その大味こそが本作の魅力。
脱獄という本来コジンマリ完了すべきネタが、ダイナミックなアクション劇に昇華。
2大アクションスター、銃をブッ放す姿がやはり似合う。

REDリターンズ 【55点】
続編の典型的な失敗作。オリジナルの良さを消し去って「どうだ」と言わんばかり。
ご老体がアクションをこなすギャップをわかっておらず、自由度の高いアクションに閉口。
ブルース・ウィリス演じる主人公のパートナーが、やたらと前にシャシャリ出る様も醜い。
救いは、ヘレン・ミレンの変わらぬカッコよさ。

スティーヴとロブのグルメトリップ 【50点】
一部の海外レビューで評判が良かったので、楽しみにしていたがひどくつまらない。
登場人物として、実在の本人を自身で演じていることがユニークだが、
DVDで日本にリリースされたことすら驚くほど、日本人が見ても楽しめない内容と思われる。
会話劇の中に、笑いのネタとして多用される、英国俳優たちのモノマネを見てもさっぱり。
多くの料理が出てくるも、それらを無視するようなカメラワークも気に入らない。
途中、爆睡するが、見直す気が起こらなかった。

思い出のマーニー 【感想】

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最近、映画も食わず嫌いはダメだと思うようになってきた。
多くの人が観る映画には、それなりに支持される理由がちゃんとあるのでは?と。
だが、現状のジブリ映画には「ジブリ」と名のつくブランド力しか、理由が見つからず。

一昨日から公開が始まった「思い出のマーニー」を観た。

作り手のセンスが問われる難しい題材だと思った。
宮崎駿からバトンを受けた米林監督だが、非凡さよりもセンスのなさが目に付く。

冒頭から面喰らうには、主人公杏奈の個性だ。
勝手に内にこもり、周りの親切心はお構いなく、突いて出るのは相手の悪口。
ネクラで身勝手。ジブリ映画の主人公には、およそ似つかわしくない姿だ。
その違和感は、主人公の生い立ちから形成された必然的なもの、
あるいは後半への伏線だと思ってみていたが、そのどちらでもなかった。

「かわいそうで、同情すべき主人公」としか描かれない。

主人公杏奈がマーニーと出会ってからもそうだ。
マーニーの不幸ぶりをこれでもかと見せつけ、
「孤独で不幸なモノ同士、出会い、愛し合うことが必然だったのよ」だ。
なんという力技。センスがあるとは思えない。

人物背景、描写を語る脚本が尽く巧くない。
もっと他の描き方があったんじゃないかと何度もツッコむ。

この映画の原作を読んだことはないが、話のプロットおよび、
ラストのオチは、ほぼ原作通りだと他レビューに書いてあった。

映画化すべき物語だと感じだが、
本作で難しいのは、リアルとファンタジーの間の描くことだ。

本作が失敗していると思ったのは、
リアルとファンタジーの狭間を難解に見せたことだ。
「子どもにも観られるジブリ映画が戻ってきた」などというのは間違い。
一定の洞察力がないと理解しながら観ることができない。
優れた映像作家は、難しいテーマをわかりやすく伝えることができるものだ。
わかりやすい内容から、多くの解釈を観客側に委ねればよい。

他にも、リアルな「支給金」の話を取り上げるとか、無駄なクダリが多い。
「そんなことかよ」と、描き手のセンスを疑う。

昨今のジブリ映画で目に余る、もれなく有名人声優起用は
本作でも健在。隅々まで不必要までのキャスティングだ。

脚本がダメなら眼福感、と。
美しい映像に期待してみたが、画一的な絵が繰り返された印象。

唯一の救いは、エンディングに流れる主題歌が非常に美しいこと。

高い映画料金を払ったが、DVDを待てば良かったと後悔。
客層の世代が幅広く、女性層が多く目立つ。間違いなく大ヒットの予兆。

今日は1100円デーだったので、その後に、
2回目となる「オール・ユー・ニード・イズ・キル」を見る。とても緻密でやっぱ面白い。
良い映画を観たという満足感で、マーニーのイライラを払拭した。

【50点】

六本木の黒酢酢豚。

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最近、猛暑にも関わらず外出が多い。
外出先の楽しみはゴハンだ。
行き先の目星は、専ら食べログ上位店だ。
孤独のグルメの五郎さんのように勘に頼った店選びはできない。

一昨日、六本木に打合せに行った帰りに寄った、
中華料理店が美味しかったので感想を残しておく。
店名は「美林華飯店」。

入店したのは14時20分ごろ。高級感のある落ち着いた内装。
まず店内で目立つのはプロ野球選手や大物タレントのサインと写真。

食べログ情報から、黒酢酢豚が美味しいということで、
ランチセットで1200円とやや予算オーバーだが頼んでみる。

おしぼり、冷茶、ごはん、スープ、グレープフルーツが序盤で一気に出てきた。
その後、10分ほど待って、メインの酢豚が出てきた。

黒い。

黒酢の酢豚は初めてだ。
で、食す。

まろやかな酸味と後を引く甘味がある黒酢だ。
この黒酢だけで、白飯がグイグイ進みそう。

酢豚というと玉ねぎやら人参やら、時にはパイナップルなどが混在するが、
ここの酢豚はお肉オンリーである。これが本場なのだろう。

ランチの定食だからか、お肉はやや小ぶりの印象だが、
とても柔らかく、噛むとしっかりとお肉の旨みを感じる。想定以上の食べ応えだ。
そして何より嬉しいのは脂身の甘味を感じられたことだ。これぞ豚肉料理。

出てきた白飯の量が少なかったので、ちびちび食べていたが、
お肉がラスト1塊の段階で、お店の女将らしき人が、
「ご飯おかわりできますよ」と声をかけてきた。
「遅いよー」と心の中で叫びつつ、「じゃお願いします」とおかわりをする。
ちなみにスープもおかわり自由だという。そのスープもちゃんと美味しい。

食べ終わって、終了かと思いきや、
アイスコーヒーと、スイカらしき手製のゼリーが出てきた。

一品一品もれなく美味しく、かなりの満足感。満腹感。
きっと他の料理も美味しいのだろう。

六本木という立地を考えればかなりのコストパフォーマンス。
バウチャーチケットを使えるというのもさらに嬉しい。

こんな店が会社の近くにあったらなーと思いながら、
店を後にして、会社に戻った。

ゴジラ 【感想】

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今夏のブロックバスター映画の1つ、「ゴジラ」を観る。
あっぱれゴジラ。あっぱれハリウッドな大作だった。

このテの映画にしては、アメリカでの評判が良かった本作。
想定以上の完成度。怪獣映画であり、ディザスタームービー。

オリジナルへのリスペクトを十分に感じさせながら、
ゴジラが現代に出てきたらどうなるかという設定を
大真面目に作った力作といえる。

ユーモアを織り交ぜるようなハズシはなく、
ひたすらシリアスで硬派な作りに徹した。
なので、むやみにゴジラが街を破壊するシーンなどはない。
そのあたりはゴジラオタクな人たちには物足りないだろうが、
最新の技術で再現されたゴジラのクオリティには満足すると思う。

パシフィックリムの怪獣同様、ゴジラが大見得を切るシーンに身震いした。
大スクリーンにゴジラの全容が映し出され、大音響の咆哮が響く。
映画館でしか味わえない醍醐味にあふれている。

ハリウッドの手に掛かれば、着ぐるみ怪獣映画も、
ガチでド迫力のエンタメ作品になる。さすがの一言だ。

人間たちの視点から魅せるシーンが多く、巨大な怪獣たちとのスケールの対比が秀逸。
怪獣たちの存在を、人間たちの手ではどうすることもできない驚異として描いている。
これはゴジラを原子力の象徴として魅せた、オリジナルを強く意識したものと思われ、
3.11を経験した日本人として、なおさらテーマ性が響いた。

また、ありがちなディザスタームービーとは異なり、
真面目に演技派俳優たちをキャスティングしていることにも驚いた。
個人的にはブライアン・クランストンにもっと活躍してほしかったかも。

ストーリー自体には際立った面白さはない。
ディザスターに家族愛を絡めたありがちな内容だ。
だけど、脚本が細部までしっかり作られているし、
ゴジラを描くことに主眼をおいているのでこれでよい。

暑さからの疲れで、何度も睡魔が襲ってきたが、
とても興奮し、とても楽しめた。

客層は男性が多いのはもちろんのこと、シニア層の多さが目立った。
全世界でヒットを飛ばした大作だが、日本ではヒットするのだろうか。

【70点】

「ブレイキング・バッド」の最終話を見届けた件 【感謝】

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断言できる。「ブレイキング・バッド」は史上最高のドラマだ。

向こう10年、このドラマを越えるドラマは出てくるのだろうか。

「市民ケーン」や「ゴッドファーザー」などと、
並び讃えられるべき、名作と言いたい。

最終回となるシーズン5の第16話を見届けた。

家族のために生きようとした男の栄光と転落の叙事詩。

家族とは何か、
愛情とは何か、
金とは何か、
欲望とは何か、
正義とは何か、
悪とは何か、
信頼とは何か、
アイデンティティーとは何か
生きるとは何か・・・

そのすべてがこのドラマの中にある。

人間とはいかに滑稽で愛おしい生き物だろうか。。。

全5シーズン、面白さの順は、5>4>3>2>1。
絶頂の段階で、文句なしの幕切れに至った。

しかし、どんな結末になろうが、このドラマの持つ価値は変わらなかった。

観る側の期待を裏切らず、観る側の想像力を凌駕し続けた脚本。
ドラマという短尺枠では考えられないような高度な演出力を保持。
物語の展開、キャラクターの心情を投影した大胆なカメラワーク。
時にタブーに切り込み、人間の業を丸裸にしてみせた。

シリーズを通じて、挑戦することをやめないドラマだった。
視聴者を信じ、作品の力を信じた製作陣たちの勇気に大拍手。

このドラマの重要性を、映像業界が語るにはまだ時間がかかるだろう。
多くの映像作家が目指すべき、1つの指標となるだろう。

主人公ウォルターを演じきったブライアン・クランストンの名演は語り継がれる。

本作を生み出したヴィンス・ギリガンの偉業の結晶。
彼が映画業界に進出したら、JJエイブラムスを超えるフィルムメーカーになるだろう。

自分の1つの夢ができた。
本作のロケ地であるニューメキシコ州のアルバカーキに行くこと。

次回への興味を煽って視聴率を稼ぐ、これまでのドラマとは別次元。
その意味でも、従来のドラマの概念を覆した金字塔といえるだろう。

BDボックス購入するので特典映像を充実させてほしい。

素晴らしい映像作品でした。
「ブレイキング・バッド」ありがとう。

【200点】

永遠の0 【感想】

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永遠の0 【65点】
ここ最近で一番興行的に成功した日本映画。DVDレンタルされたので観る。
「涙無くしては読めない」原作の映画化と聞いていたが、映画はまずまずだった。
「海軍で臆病者と言われた男がなぜ特攻で亡くなったか」、
その背景にあるものが、自分が知っている戦時中の精神性の域を出ず少々ガッカリ。
戦時中、亡くなった方たちの想いが現代に繋がっているというメッセージも
使い古された打ち出しだが、戦争の名残が薄らいでいく現代において本作の意義は大きい。
最後の締め方といい、戦時中の物語の演出はしっかりしているのだが、
三浦春馬のパフォーマンス含め、現代版の演出がいちいちクサいのが勿体ない。
懸念していたVFXは、想像を上回る出来で、結構な迫力だった。

ディス・イズ・ジ・エンド 【70点】
日本での公開を待ち望んでいたいが、知らぬ間にDVDスルーされていた。。。
ハリウッドのコメディ俳優たちがジェームズ・フランコ宅でパーティー中、
大災害に遭い、そのままジェームズ・フランコ宅に籠ってしまう話。非常に面白い。
本作のポイントは、各ハリウッド俳優が自らを自らで演じ、セルフパロディしていること。
おそらくプライベートでも親交が深い仲間たちなのだろう。彼らの悪ふざけに近いドタバタ劇と、
信仰を大いに皮肉った危うい脚本がブラックで最高。共同脚本・監督はセス・ローゲン。
コメディ映画というジャンルで若き才能に大金をつぎこみ、それが見事にヒットしてしまう、
アメリカ映画界の強さを再認識。日本は真似できない。だから日本映画は一流になれない。

デンジャラス・バディ 【65点】
境遇も個性も異なる2人の女性捜査官の活躍を描くバディムービー&コメディ。
サンドラ・ブロックとメリッサ・マッカーシーの組み合わせが想定外にマッチ。
明け透けで遠慮のない2人の掛け合いが気持ち良い。お互い爪弾き者同士というのも効果的。
元々コメディもござれなサンドラだが「ゼログラ」以降、どうしても贔屓目で見てしまうが、
オスカーノミネートされた後でも、お構いなしの「鼻ピーナッツ」には恐れ入る。
冒頭とラストに出てくるデブ猫「パンプキン」のおとぼけぶりが、本作の色そのもの。

ハウス・オブ・カード シーズン1 【感想】

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昨年、全米のドラマ界を席巻したタイトルの1つ、
「ハウス・オブ・カード」のシーズン1(全13話)をレンタルBDで観終わった。

めちゃくちゃ面白い。

このドラマを人格で例えるなら、潔癖症かつ完璧主義者。

神ドラマである「ブレイキング・バッド」と同様、
1話1話の度に、その完成度に酔いしれる。
「13時間の映画」というふれこみも偽りなし。
続きを煽るだけで視聴者の気を引くドラマの時代は終わりなのかもしれない。

アメリカのホワイトハウスを舞台にしたポリティカルサスペンス。

議会を操るベテラン下院議員が、サブタイトルとおり、
「野望の階段」を上りつめていく様を追ったドラマだ。

半沢効果に影響され「復讐劇だぜ!」という宣伝文句をつけているが、それは大間違い。
その文句に惹かれて「何だ、復讐劇じゃないじゃないか!」と早々に離れる人たちは
このドラマの真価を知ることはないので、とても可哀そうだ。

本作で描かれるのは、様々な欲望に取りつかれた人間たちのパワーゲームだ。
政治の世界も、強い者が勝利するのではなく、勝利した者が強い。

その物語の中心にあるのが、ケヴィン・スペイシー演じる主人公の権力欲。
欲しいものを手に入れる術に長けたキレモノであり、剛腕な男だ。
「国家のために」なんていう美徳はこのドラマにおいては一切排除されている。
あくまで利己的に、自らの目標達成のために上へ上へと突き進むのだ。
それはときに醜く映ることもあるが、このドラマのスリルと興奮には替え難い。

このドラマで、夢中にさせるポイントは大きく3つ。

1つは洗練された脚本。
多弁な政治家たちにあって、圧倒的なボリュームのセリフ量だが、
一言一言、磨き上げられているのがよくわかる。切れ味が抜群だ。
セリフの応酬がカッコよすぎて、時にその部分だけリピート再生してしまう。

2つ目はキャスティング。
映画界とドラマ界で、キャストの知名度に差がつくことが多いが、
本作では珍しく映画界で名を馳せる演技派俳優たちが物語の中心に立つ。
ケヴィン・スペイシーの強いカリスマ性も絶品なのだが、
本作で昨年GG賞をとったロビン・ライトがまた素晴らしい。そして美しい。
主人公の絶対的な腹心である、秘書役を演じるマイケル・ケリーも地味ながら魅力的だ。
ハゲな人たちを多く起用しているのも、リアリティがあってよい。

3つ目は撮影。
初回の監督がデビッド・フィンチャーだったからか、
フィンチャーならではの計算しつくされたカメラのフレームワークが見事だ。
緊張感が高まる場面で、背景が綺麗に左右対称だったりする。
上質な映画を鑑賞しているような気分になる。

主人公が劇中、鑑賞者に向けて解説する演出も、とても効果的で巧い。

一点だけ、個人的に残念だったのは、
終盤のエピソードでクライムサスペンスな要素が加わったこと。
このドラマに限っては、ない方が良かった。

しかしながら、新たな傑作ドラマが誕生したことに間違いなし。

次のシーズン2はありがたいことに、
あと2ヶ月後くらいにレンタル開始されるっぽい。
楽しみがまた1つ増えた。

るろうに剣心 京都大火編 【感想】

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「るろうに剣心」の続編、「京都大火編」を昨日観た。
前作からスケール、キャスティング、アクションが3倍増。
前作で自らに課した高いハードルを超えた模様。とても楽しめた。

前作同様、原作漫画の映画化というより実写化に近い作りだ。
前作よりも多くの要素を盛り込んだせいか、脚本が呆けているのが否めない。
最近、海外ドラマを多く観ているので、本作を観て改めて思うが、
日本の脚本って、セリフにしろ描写にしろ無駄な説明が多くて野暮ったい。

ただし、自分が本作に期待するのはドラマではない。
前作で日本映画に新風を吹き込んだ殺陣アクションがお目当てだ。

その点では大満足。
剛よりも柔。力よりも速さ。爽快なアクションは健在。
本作では1対1の斬り合いの面白さがさらにレベルアップし、
1対群衆という立ち回りで、大躍動かつド迫力のアクションを見せる。
地上戦に留まらず、空中でのアクションを多用し、超立体的な画が続く。
演者だけではなく、多くのスタントマン、カメラマンたちにも、
技術的に体力的に高い要求を課しているのがわかる。
おかげで素晴らしいアクション活劇に仕上がった。

ただし、神社での対決や、女子まで加勢したクライマックスは
やや欲張り過ぎか。。。まあ、監督のサービス精神と受け止めよう。

これらのアクションが繰り広げられるセットも巨大で実に豪華。
大好物である明治時代の町並みの再現性も目に楽しい。

前作に続き、本作のキャスティングも見事にキマッた。
これ以上の配役は考えられそうにない。

前作では吉川晃司演じる敵役キャラが抜群の引力だった。
本作でその役割を担うのは藤原竜也演じる志々雄。
顔面包帯という表情での表現ができないハンデの中、
眼力と声だけでキャラが持つ狂気と凄みを見事に表現している。
そして、神木隆之介演じる志々雄の腹心である瀬田も実に魅力的。
原作を知らないのでその再現性の精度はわからないが、2人ともかなり個性的なキャラだ。
下手な人が演じると空回りしがちになる難しい役どころだが、巧く体現していて感心する。
あと、ほとんどセリフはないが、モデルの高橋メアリージュンが、
意外にも演技が上手くて驚く。強いポテンシャルを感じた。

2部作にすることに、当初抵抗感があったが、
前編でこれだけ魅せられたら満足。来月に公開される後編への期待も十分。

昨日は8月1日で1100円の日ということもあり、夜の時間だったが客席がパンパンだった。
いつも見ている洋画とは違って、明らかに客層が若いし、女子率も高い。
確実にヒットしそう。

本作の製作&配給はワーナー・ブラザーズ。
昨今、良作洋画をたくさん配給するも、なかなかヒットに恵まれない。
本作できちんと儲かってもらい、元気になってほしい。

【70点】

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー 【気になる映画】

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いよいよ日本での公開が来月に迫った「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」。

先週末から北米での公開が始まった。

で、興行収入、評判ともにエライことになってる。

8月の公開映画としてはオープニング新記録となる9400万ドルでスタート。
今年最大のオープニングとなった「トランスフォーマー〜」(1億ドル)は超えられなかったが、
シリーズものではない、未知数の新タイトルとしては驚異的な数字だ。

そして興行数字以上に目を引くのはその評価だ。
今日までのRottenの状況をみると、今日時点の批評家たちのレビュー数は190で、
92%のフレッシュという凄いスコア。オーディエンスに至っては、それを上回る96%フレッシュ。
大作映画としては2012年のアベンジャーズ以来の反響だ。

『スターウォーズ以来のスペースオペラの傑作』
『エネルギッシュで刺激的。ユーモアに満ちた娯楽作』
『今年のサマーシーズンムービーの勝者』・・・みたいな

「さあ見てくれ!」と言わんばかりの鼻息の荒いコメントが舞う。

マーベルコミックの中でも映像化不可能といわれた原作の映画化だ。
監督・脚本は「スーパー!」(大好き)のジェームズ・ガン。
小規模作品を撮ってきた映像作家の大抜擢だが、その期待に見事応えた結果だ。
すごいぞジェームズ・ガン!

大作映画と気負うことなく、彼のスタンスを守り続けたことが成功要因、
といったレビューコメントも印象的だ。とても気になる。

彼の監督器用にも、昨今のディズニーのチャレンジ精神が垣間見える。

先行して、ホットトイズから、アライグマのラクーンと、
木人(?)のグルートのセットフィギュアが予約開始となった。
値段は3万円オーバーと高いが、売り切れになる前に予約すべきか悩み中。

日本での公開は9月2週目の土曜日。
今年映画の大本命の1つ。あぁ楽しみだ。

スパルタカス ファイナルシーズン 【感想】

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スパルタカスのファイナルシーズンの新作レンタルが始まり、
惰性で観ていたが、途中で嫌になって鑑賞をやめた。

シーズン3作目となる本シーズンだが、
シーズン2で終わっとけば良かったと思われる。

前のシーズン2で宿敵を一通り殲滅し、シーズン1からの流れは一旦完結した。
本シーズンでは、スパルタカス率いる奴隷軍が一大勢力となっているところから始まる。

「次はローマ軍を滅ぼすぜ!」という話で、大幅なスケールアップを狙っているようだ。

スパルタカスたちは前シーズンまで「奴隷」という社会的弱者としての立場であったが、
本シーズンではローマ軍を圧倒し、強者としての君臨しているイメージが強い。

また、新たな敵役はこれまでの極悪非道キャラではなく、
人間として割とちゃんとしている。

最終シーズンで仕切り直しに近い、新しいアプローチを試みているが、
弱者が強者を食う痛快さや、正義と悪のわかりやすいコントラストが
本作の大きな魅力だったのだが、完全に消え失せてしまったようだ。

病死で降板したアンディ・ホイットフィールドに変わり、
前のシーズン2より新しい俳優が主人公を演じることになったが、
シーズン2であれだけの修羅場を潜ったにも関わらず、
本シーズンでも個人的にハマらない。カリスマ性のなさが否めない。

奴隷軍が略奪を繰り返したせいか、知らぬうちに、
スパルタカスたち幹部が小金持ちになっているのも解せない。

戦闘アクションも退屈になった。1対1の個々の戦いから、
群衆対群衆の戦いになって、奴隷軍が無条件に強いのが退屈。
安易に人体がスパスパ切られる。このドラマが好きな人は
単純にスプラッター好きということではない。勘違いしている。

クリクスス、ガンニクスなど、
魅力的だったキャラのマンネリ感も目立つ。

劣点を挙げればキリがない。
面白いドラマだったのにとても残念だ。

やはりスパルタカスはシーズン1までが面白い。

鑑定士と顔のない依頼人 【感想】

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鑑定士と顔のない依頼人 【75点】
観れば観るほど味わいが変わりそうな面白い映画。
海外サイトのレビューでは結構コケにされていたけど、自分は気に入った。
名鑑定士かつ名オークショニアとして名を馳せる初老の男が、
顔を一切見せない鑑定依頼人に心身ともども翻弄される話だ。
話の内容はとてもシンプル。現代の「寓話」という表現がピッタリくる。
ミステリー映画の手触りだが、見ようによってはブラックコメディのようにも映るし、
切ないラブストーリーにも映るし、変態ホラー映画にも映る。この多面性が魅力だ。
名優ジェフリー・ラッシュが癖のある個性的な主人公にドハマりしている。
監督トルナトーレの成熟された演出手腕とオリジナルで本作の脚本を書き上げた、
見事なストーリーテリングに驚かされる。本物と贋作を見極める男の結末に、
好き嫌い、予想できる・できない関係なしに、複雑な感情が巡ってしまう。
モリコーネの音楽と、美しい美術セットの相性も抜群。
ブルーレイ映像で見て正解だった。BD購入候補リストに追加。

ドリンキング・バディーズ 【65点】
タランティーノが選ぶ2013年のベスト映画10選のうちの1つ。
劇場公開を待っていたが、DVDスルーとなった。かなりの小品なためDVDで十分か。
ビール会社に勤める女子と男子の友情物語。「男女の友情はありえるのか?」の問いに対して、
とても明快でわかりやすい回答をしてくれる映画。物語を面白くさせようと、
ありがちで安易な展開に持っていかなかった監督のセンスに拍手。

備忘録にて以下、2013年タランティーノ映画10選。(自己採点)

 ローン・レンジャー(55点)
 死霊館(75点)
 ゼロ・グラビティ(150点)
 ビフォア・ミッドナイト(75点)
 キック・アス ジャスティス・フォーエバー(55点)
 ブルージャスミン(65点)
 ディス・イズ・ジ・エンド(70点)
 ドリンキング・バディーズ(65点)
 Frances Ha フランシス・ハ(9月公開)
 Afternoon Delight(日本未公開)

第66回エミー賞、勝手に予想。

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先週、ライムスター宇多丸のラジオ「ウィークエンド・シャッフル」で、
「映画ファンよ! もう見て見ぬ振りはしてられない!
 今からでもギリギリ間に合う"海外ドラマ"入門特集!」っていうのがやってた。

「もう無視できないよ!」というコピーに納得感があって、興味深く聞いた。

紹介されたドラマは「ハウス・オブ・カード」「シャーロック」「ウォーキング・デッド」
「ゲーム・オブ・スローンズ」「ブレイキング・バッド」(「ホームランド」はタイトルだけ)。

これまた、いずれも納得感のあるタイトルだ。
「入門編」というより、入門者じゃなくても「間違いのない」ドラマだ。
「シャーロック」と「ウォーキング・デッド」については最新シリーズがイケてないけど。

すっかり海外ドラマファンとなった自分にとって、
今月楽しみなイベントがある。エミー賞の授賞式である。

で、馴染みのあるドラマ部門のみ勝手に受賞予想して盛り上がってみる。
★は受賞予想。☆次点予想。
()は作品の完成度に対する私的点数。

 ドラマ部門 作品賞
 ★「ブレイキング・バッド」(200点)
  「ダウントン・アビー」(90点)
  「ゲーム・オブ・スローンズ」(75点)
  「ハウス・オブ・カード 野望の階段」(85点)
  「MAD MEN マッドメン」(未見)
 ☆「True Detective」(日本未放送)

 ドラマ部門 主演男優賞
 ★ブライアン・クランストン「ブレイキング・バッド」
  ケヴィン・スペイシー「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
  ジョン・ハム「MAD MEN マッドメン」
  ジェフ・ダニエルズ「ニュースルーム」
  ウディ・ハレルソン「True Detective」
 ☆マシュー・マコノヒー「True Detective」

 ドラマ部門 主演女優賞
  ミシェル・ドッカリー「ダウントン・アビー」
 ☆クレア・デインズ「HOMELAND」
 ★ロビン・ライト「ハウス・オブ・カード 野望の階段」
  リジー・キャプラン「Masters Of Sex」
  ケリー・ワシントン「スキャンダル 託された秘密」
  ジュリアナ・マルグリース「グッド・ワイフ」

 ドラマ部門 助演男優賞
 ★アーロン・ポール「ブレイキング・バッド」
  ジム・カーター「ダウントン・アビー」
 ☆ピーター・ディンクレイジ「ゲーム・オブ・スローンズ」
  マンディ・パティンキン「HOMELAND」
  ジョン・ヴォイト「レイ・ドノヴァン」
  ジョシュ・チャールズ「グッド・ワイフ」

 ドラマ部門 助演女優賞
 ★アンナ・ガン「ブレイキング・バッド」
 ☆マギー・スミス「ダウントン・アビー 」
  ジョアンヌ・フロガット「ダウントン・アビー 」
  レナ・ヘディ「ゲーム・オブ・スローンズ」
  クリスティーナ・ヘンドリックス「MAD MEN マッドメン」
  クリスティーン・バランスキー「グッド・ワイフ」

今回の受賞対象となる最新シリーズが、
日本でまだ放送されていないものばかりなので、半分、自分の願望だ。

これ以上ない有終の美を飾った「ブレイキング・バッド」。
ドラマ界に残した功績は大きいはずだ。
多くの部門で受賞してほしいし、助演キャストたちも
受賞に相応しい素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思う。

アカデミー賞同様、高レベルの凌ぎ合いが予想される主演男優賞については
前哨戦からの傾向では、マシュー・マコノヒーが濃厚とされている。
もし受賞すれば、同年に映画界とドラマ界の頂点に立つ快挙であるが、
ブライアン・クランストンも負けちゃいない。
クランストンは今年トニー賞も獲って、ブロードウェイの頂点に立った。
同年でトニー賞とエミー賞を獲ったら凄い快挙だろう。是非獲ってほしいわ。

授賞式は8月26日(火)。今年は無料放送をするとかしないとか。。。
自宅で有料チャンネル契約してないので、会社の先輩に録画を依頼中だ。

サンブンノイチ 【感想】

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サンブンノイチ 【55点】
目立つのは、監督品川のハリウッド映画への憧れ。
早いカットと早いセリフ回し。タランティーノについて等、映画話を長々と放すクダリとか。
ありがちな映画オマージュを模したようだが、日本人がやるとイエローモンキーになる。
どうにもみっともなく見えて仕方ない。ドンデン返しの繰り返しが見所だと思うが、
無駄な演出、見せ場が多くて、「そうだったのね」と思えても、面白く映らない。
藤原竜也のテンパリ演技と、窪塚洋介のキレ演技が絶品。窪塚ホント良いなー。
中島美嘉の棒読み演技と、元陸上選手には見えないガリガリ体型に苦笑。完全にミスキャス。
キャスティングって大事だな、と改めて思う。



新しき世界 【65点】
劇場鑑賞を楽しみにしていたが、予定が合わずスルーした1本。とても面白い。
警察組織がヤクザ組織を内部から解体し「新体制(新世界)」を作ろうとする話。
聞いていたとおり韓国版「インファナル・アフェア」といった感じだが、また違った味わい。
警察VSヤクザのド突き合いだ。痛みがあって当然。重厚なバイオレンス描写はさすがだ。
警察組織をヤクザ組織並に強かな悪として描いた点が面白い。
怒涛のラストまでの展開をもって「新世界」のホントの意味を知る。カタルシス最高。
残念なのは、兄弟分だった主人公たちの絆をあまり感じられなかったことか。
ラストにその説明が入るのは、やや手遅れだし、とってつけたみたいな説明で勿体なし。

ペコロスの母に会いに行く 【感想】

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昨年のキネ旬ベストテンで、邦画のベストワンだった映画。
キネ旬の評価は個人的に合わないことが多く「一応観とくか」くらいだったけど、
レンタルが開始されたので観たが、まさかの大当たりだった。

ゲラゲラ笑って、じんわり泣ける、日本映画には稀なコメディ映画だった。

笑いのマの取り方や、ユーモアの味付け加減が絶妙で、
それが人間の温かい情感に深く結び付けられているのが巧い。

「認知症」「介護」といった問題を喜劇としてポジティブに捉えた点も魅力だが、
個人的に心に残ったのは、認知症となった母の生き様にフォーカスした点だ。

ボケてしまった高齢者は、よく昔のことを話すというが、
それはかつて、女子(男子)であり、妻(夫)であり、母(父)であった自分自身や、
出会い、別れ、もう会うことが叶わない人たちと再会する脳内行為と言えるかもしれない。

本作は、1人の女性が長い年月をかけて歩んできた人生の旅路を、
現在と過去のシーンを綺麗にシンクロさせながら、
胸に迫るドラマとして描き出すことに成功している。

自分の祖母へ、自分の祖父へ、自分の母へ、自分の父へ、
想いを巡らし、アツいものがこみ上げてくる。
あ〜なんでもっとお婆ちゃん孝行できなかったのかな。。。

舞台は長崎。その文化、歴史、風景をふんだんに用いたことで
物語がよりドラマチックになり、強い色をもつ映画になった。

監督はおんとし、86歳の森崎東という人。
日本映画に疎い自分は初めて知った名前の監督だが、かなり有名な方らしい。
86歳という高齢とは思えない若いセンスを感じた。
「ボケ」と「ハゲ」をあそこまで美味しく料理できるのは並大抵なことではない。

クライマックスの演出も素晴らしく、胸がいっぱいになった。

主役の岩松了と赤木春恵というキャスティングに華はないが、
見事な好演を見せる。赤木春恵は90近いのにホント凄い。
原田貴和子、加瀬亮、竹中直人といった脇役たちも素晴らしい。

エンディング曲の一青窈が歌う「霞道」も素敵。
物語のテーマをなぞるような美しい調べで、沁み入った。
DVDなのにエンドロールを最後まで見送る。

小品と思われ、スルーされるには勿体ない珠玉の傑作。

【85点】

ブレイキング・バッド シーズン1 ブルーレイBOXを購入した件。

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ブレイキング・バッドの全シリーズのDVDパッケージが
今月から日本でもようやく、レンタル&セルが始まる。

本作を神ドラマとして崇めているので、全シリーズを購入する予定だが、
既に全話を観ているのと、如何せん日本のパッケージ価格が高すぎるため、
価格が安くなった時期を見計らって、購入しなければならない。
シーズン1のみamazonで半額になっていたので購入した。

で、お目当ては購入特典を早速観てみた。

約90分におよぶ映像特典だったが、
舞台裏、メイキング等は、正直あまり面白くない。
メイキングは、ありがちな演者たちによる作品紹介CMに留まっている。
裏情報として面白かったのは主演のブライアン・クランストンが
自分のブリーフ一丁姿を気に入り、撮影中ずっとその姿だったことくらいか。

そんな中、興味深かったのは全くマークしていなかった、
「シュートアウト」というTV番組で、コメンテーターらしき人と、
本作のプロデューサー(ヴィンス・ギリガンでない)が会談している映像だ。

昨今、映画とドラマの垣根がなくなってきていると思うが、
映画とドラマの製作過程における決定的な違いは、
企画から製作までの自由度とスピードだという。

多くの関門をクリアしないと製作までこぎつけない映画に対して、
放送局のOKが出れば、作れてしまうのがドラマだという。
極端にいえば、ある程度、勢いで作れてしまうということ。

この製作のダイナミズムが「ブレイキング・バッド」という挑戦的なドラマを生み出し、
他にも多様性に富んだ高品質ドラマが次々と生み出されているのだ。

シーズン1の本編は、本ドラマの入り口に過ぎず、
このドラマの本領が発揮されるのはシーズン2以降。

早くシーズン2以降も購入したい。

トランスフォーマー/ロストエイジ 【感想】

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大味の巨匠マイケル・ベイ。
ドラマを真面目に撮らせたら三流というイメージがついて回るが、
彼の新作「トランスフォーマー/ロストエイジ」を観て思った。
「もしかして、すべて彼の計算なのではないか。。。」と。

大爆発実写と特殊効果の大洪水である。
そのボリュームは現時点で歴代最高記録。

先週末に観て、一週間ほど経つが、
どんなストーリーだったのか、よく覚えていない。
上映時間3時間弱。IMAX3Dで集中して観ていたはずだ。

おそらく、映像の情報量、熱量がともに多すぎて
話が頭の中に入ってこなかったのだろう。

特に本作においては、いつものロボットアクションだけではなく、
新しい主役となったマーク・ウォルバーグの格闘アクションが入っていたり、
余分とも思えるパートをこれでもかと盛り込んでいる。

そもそも、本作を観るにあたって脚本をどうこう言うのは野暮だ。
この手の映画でありがちな「ドラマもしっかり描いてます」は
さすがに本作のプロモーションでは使えないだろう。

話が破たんしていても、映像で楽しませてくれればそれでよい。
その点においては、期待通り、いや、期待以上だった。

このシリーズで楽しみにしているのは乗り物からロボットへの変形シーンだ。
シリーズ2作目で希薄になり、前作の3で再復活した。
4作目となる本作では、再び変形シーンが少なくなった印象だったが、
後半まさかの恐竜ロボットのクダリ(笑)で一気に挽回。
もう、絵的に面白ければ何でもOKという世界。

明らかにいびつでアンバランスな映画だ。
マイケル・ベイはこれを作為的に作っているんじゃないかと思えた。
その理由については正直よくわからないけど。。。

観客たちが楽しめる要素を、たくさん盛り込んでやろうという
サービス精神は勿論あるだろう。

出てくる女子がもれなく美女ばかりで、主人公の娘のピチピチ美脚を
いやらしい視点で追っかけるあたりなんかもまさにその1つだ。

CGだけでなく、IMAXカメラを多用しているため
ベースとなる風景映像もかなり迫力があって目に楽しい。

今回、新たに加わったロボットたちのデザインもカッコよい。
一番のお気に入りは「ハウンド」。口ひげに土手っ腹、葉巻を戦闘中も吸っている。
ジョン・グッドマンの野太い声と相まって非常に魅力的だ。

マイケル・ベイを超えるのは、もはやマイケル・ベイしかいない、
そう思わせるには十分な映画だった。

しかし、疲れた。
ドラマパートは不要なので、DVDレンタルされたら、
ロボットたちのアクションシーンだ再見したい。

【70点】
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